PEPA History
ペパ ヒストリー

#08 ペパカフェに集ったアーティスト達

ペパカフェの不思議でファンキーな雰囲気を、感性のいいアーティスト達が嗅ぎ付けて集まってきました。この小さな店のお客さんや元スタッフには、いま活躍しているアーティスト達がたくさんいます。

80年代前半には、よく学生時代の日比野克彦氏が飲みに来ていたな。 語りながらゆっくりと時間をかけてよくウィスキーを飲んでいました。当時彼の作品とウィスキーを交換しようかなんて言っていたけど、しておけばよかったなと思います。しばらくしてからパルコの大賞を受賞しました。パルコの大賞は若手アーティストの登竜門だもんね。やはり大賞を受賞した平野こうじ氏も、学生時代にペパカフェによく来ていました。彼の描く絵は暖かくていい。友人の井上まさと氏は彫金でセンスの良さが光るアクセサリーを作っていますが、彼も受賞した一人です。

今、NYで活躍中のDJ、SATOSHI TOMIIEも常連の一人で、彼の作ったテープをよく店で流していました。その昔ブラジル音楽などがまだメジャーでない頃にジョルジュ・ベンなどを選曲してきて、センスがいいなと思ったものです。そして、今も彼の作る音はクール。DJ YO-Cとカオリちゃんの兄弟も古くからのペパの常連で、二人とも音楽シーンでバリバリに活躍しています。

元ミケのマミちゃんは現在レコーディング中。完成が楽しみです。

また、後には残りませんが、僕は料理も作品だと思っています。そう考えると、手前味噌になるけど今のペパカフェの厨房スタッフ、弟の真之、ヒロ、達志はとてもセンスの良いアーティストだと思います。料理はセンスだと思うのですが、彼等は抜群のセンスを持っていてチームワークもいい。これからが、また楽しみです。

ピエール・バルー

ペパーミントカフェが取り壊されるのを聞いて、母の友人である、あのピエール・バルー氏がペパカフェに来てくれました。母はフランスに行くと決まってピエールさんの家を訪ねるのですが、今回はピエールさんが家族で僕の家にも遊びに来てくれました。

バルーさんは映画『男と女』で夫役を演じたフランスのミュージシャン/プロデューサー/俳優で、個性と主張を持った作品をたくさん生み出したサラヴァレーベルの主宰者でもある。そして、フランスにボサノバを紹介したのがこのピエールさんであるのも有名な話です。

俳優の名声を捨て、ボヘミアンな生き方を選び、商業主義に決して屈する事なく、可能性のあるミュージシャンの発掘とプロデュースに取り組むピエールさんは、本当にステキな味のあるカッコイイ人でした。微笑んでいるその大きな身体からは、ピエールさんの自由な優しさと自分の感性に正直に生きる強さが感じられた。

取り壊しの事も気にかけてくれて、フランス語で詩を書いてくれました。僕もピエールさんの様に自由に生きたいと思った。「サラヴァ!」

タン・ブン・フォン(TBF)

アパレル関係では、ペパカフェでアルバイトしていたマレーシア人の陳文豊(タン・ブン・フォン)が今、新人デザイナーとして脚光を浴びています。彼はものすごい努力家で、絶対に日本から世界にデビューするんだという夢を持っていました。日本に来てから文化服装学院の学費を払うために、朝は新聞配達、日本語学校に行きながら昼は中華料理屋、夜はビルの清掃のアルバイトで寝る時間を惜しんで学費を貯め、日本語もアルバイトしながら覚えてペラペラでした。彼は5カ国語を自由に話す。文化服装学院時代は賞を総なめにしていました。

三鷹の小さなアパートで、ペパカフェのバイトが終わってから夜中にミシンをかける姿を知っているので、彼の今の活躍が自分の事にの様に嬉しく思います。NHK BS-1のドキュメンタリーでモモ(彼のニックネーム)の特集番組が組まれていました。それって、凄い事だと思うよ!

そして彼のセンスの良さは料理においても抜群でした。シンガポールの歌手/プロデューサーのディック・リーがペパカフェで食事して、後日「日本で食べた料理ではペパーミントカフェが一番美味しかった」と言ってくれたのですが、その日の厨房で料理を作っていたのが、モモだった。

先日行われた2000年春夏コレクションのショーを見てきましたが、パリで見たパリコレの若いデザイナー達に全然引けを取ってないと思いました。モモ、ガンバッテな!!

TBF(タン・ブン・フォン)の服はマルイワン渋谷にショップがオープンしたので、 是非見に行ってくださいネ!

下條ユリちゃん

ペパカフェから羽ばたいたキッチュなアーティストといえば、この女の子、下條ユリちゃんがいます。彼女は高校生の頃からペパカフェに出入りしていて、その頃からだいぶ面白い子だったなー。僕の妹みたいな娘です。大学生の頃アルバイトしてみたいというので、大丈夫かなと思いつつも面白そうだったので雇ってみました。

彼女は周りに人が集まってくる不思議な魅力を持っています。下條マジックだな。人徳。感性もすごくいい。この子は絶対に有名になるなと思っていたら、案の定キッチュでヒップなイラストでブレイクしました。朝日新聞でも紹介され、自伝の本も出ているから、興味のある人は読んでみてね。

下条ユリとサイモン・テイラー

その下條ユリがイギリスに絵の勉強で留学していた時に知り合ったイギリス人の若者3人を連れてきた。その中の一人があの、サイモン・テイラーだった。

下条ユリとサイモン・テイラーとで壁画制作

彼らと話している内に意気投合して、サイモン達3人、下條ユリ、僕の5人で店の壁に絵を描こうと言うことになりました。当時のペパカフェは1階にあり、入り口が全部開く今流行りのオープンテラススタイルを、もう10年以上前からやっていました。店の真ん中から奥がユリちゃんの絵、真ん中から入り口までがサイモンの絵。僕とマーク達は彼らの描いた絵を塗る作業を手伝った。店を閉め、ハウスをBGMにしながら壁画を描きました。店の前を歩いていた人はライブペインティングが見れました。12時間後、僕にとっては世界一のヒップな壁画のある店が出来上がりました。

旧ペパカフェの壁画

ユリちゃん、サイモンありがとう!もうあの店は取り壊されてしまったけど、あの日の事は絶対に忘れないよ。それから、二人の益々の活躍期待しているよ!楽しく面白いもの作ってね!ユリちゃんも21世紀の水森アドちゃんになってケロ!なんてねー。。。。。

今、ユリちゃんはNYのブルックリンに引っ越して作品作りに励んでいます。先日、日本で個展を開くために帰国しました。個展はユリちゃんとボーイフレンドのMASAKIの、ぶっ飛んでいて可愛くてナチュラルでカッコイイ作品で、それは楽しい世界でした。

SOUL II SOUL

壁画の写真を撮り、サイモン達がイギリスに帰国した数ヶ月後、再びサイモンが「マスター、ビックニュースがあるぜ。」と言ってペパカフェにやって来ました。

「あれから、イギリスに帰ってSOUL II SOULのJAZZY Bにペパカフェの壁画を見せたらすごく気に入ってくれて、SOUL II SOULの2枚目のアルバムジャケットに使っているよ。今ロンドンではペパカフェの壁画のポスターが町中張られていてとても綺麗だよ!」と。信じられない!!当時、SOUL II SOULは音楽的にもグランドビートを仕掛けて世界中でミリオンセラー(250万枚)という最高に評価の高いグループでした。その彼らのアルバムのジャケットが吉祥寺のこの小さな店の壁画が元になっているなんて僕ら以外、誰も知らないだろう。そして、日本でもアルバムが売り出された。

SOUL || SOULのアルバムジャケット

本当だ!ペパカフェの壁画が使われている!!サイモン、ユリちゃん、ありがとう!音楽業界通の人達の間ではちょっとした話題になったものです。しかし残念ながら、昔のペパーミントカフェは新しいビルを建てる為に取り壊されてしまいました。16年間の思い出いっぱいの店はもう無い。この事は後で触れる事にします。

彼らの描いた壁画の破片は、今も僕の部屋に飾ってある。僕の大事な宝物です。

Mie Ishii

Mie君とも、もう20年近い付き合いになります。 Mie君はペパカフェの看板の絵を描いてくれたアーティスト。

ペパカフェのイラスト

彼の絵は、いろんな所で目にした人が多いと思います。AVEXのイラストも彼がずっと描いていました。彼も昔からサーファー。サーフパトロールのイラストや、最近は波乗りのイラストの本も出しました。昔のペパカフェの看板もミー君の絵です。楽しいんだよね、ミー君の絵って。

ペパカフェのイラスト

ペパカフェのマッチもミー君の絵だ。海辺のビーチレストランの絵。ペパカフェ ON THE BEACH。海テイストのミー君の絵、僕のお気に入りです。

ペパカフェマッチ

三井田 一成君

彼も僕の大好きなアーティスト。彼は地下になった新しいペパカフェの壁画を描いてもらった。やはり昔のペパカフェ時代にお客さんで来ていて知り合いました。彼も暖か味のあるタッチのセンスいい絵を描きます。人魚の絵のペパカフェTシャツも三井田君の絵だし、トイレの中の鳳凰とドラゴンも彼の作品。ペパカフェの他にもいろんな店の絵を手がけていて、バンコックSILOM Soi 4のDJクラブ「SPEED」メキシコの和食屋「和」なども彼の作品です。

ペパカフェの壁画

そして、彼の連れてくる友達もこれまた個性のある面白いヤツらです。ジェリービーンのイラストはアメリカでもブレイクしているし、レゲエシンガーのはっちゃんのキャラクターもナイスだ。

MEN'S 5

このファンキーで笑えてむちゃくちゃ聴かしてくれるグループをご存知でしょうか?ここのボーカル淡屋三治こと佐藤氏もペパカフェの古い友人です。

彼らを最初に見たのは、テレビの『新しもの』という番組だったかな。彼らはソウルファンクバンドでめちゃウマな上、佐藤氏の書く歌詞がおかしくて笑ってしまいます。彼の歌詞の笑いのセンスが僕は大好きで、特にお気に入りの曲は『サンディー』という曲。メロウなソウルだけど、歌詞がむちゃ笑えるし聴かせる。ソウル好きの方は是非一度彼らのライブを見に行ってください。楽しさは僕が保証しますよ。ライブのチラシはペパカフェに置いてあります。これからも、笑かしてくださいな!

シアターブルック・佐藤タイジ

タイジは昔からよく一人で来ていました。あのルックスだからインパクト強いよね。

最近、BIG JOHNのCMに出ていますよね。彼は吉祥寺が大好きみたいで、メジャーになっても吉祥寺から離れない。話をするとめちゃくちゃ気さくなナイスガイで、笑かしてくれます。最近、アルバム作りでずっとスタジオに入ってたそうだが、今度のアルバムも楽しみです。

ちょっと自慢しちゃうとシアターブルックの「ドレッドサーファー」という曲は、タイジがペパカフェと僕の事を書いた曲なのだそうです。歌詞を読むと、昔のペパカフェの事知っている人なら分かるはず。僕はドレッドの120%逆の髪型?なのですが、やつはペパカフェが大好きだったんだろうなー。サンキュー!タイジ!!これからもカッコイイ曲作って女の子泣かしてくださいよ!

その他に芸能人とかも来るけど、プライベートで楽しみに来ているのでここではオフレコ。お店で会えるかもよ!