PEPA History
ペパ ヒストリー

#04 カオサンロードのレストラン

次に、バックパッカーには有名なカオサンに行きました。ここも今はものすごく変わった。最近ではタイ人の若者が集まるパブやCLUBもちらほら出来ています。昔は日本人の長期旅行者はジュライホテルあたりの安宿に好んで泊まり、カオサンといえば欧米のバックパッカーの御用達でした。まだ今みたいに日本人の旅行者がほとんどいない頃だったな。

カオサンの某ゲストハウスのオーナーに「タイ料理を覚えたい。お金は要らないからここのレストランで働かせてくれないか?」と頼むと、厨房にいたピアックさんを呼んで理由を話してくれて「OK!マイミーパンハー、今から働いていいぞ!」ここがタイのいい所ですね。日本だったらわけのわからない外国人が働かせてくれって来ても門前払いでしょ。

「やったー!タイ料理が覚えられる!」メモや写真を撮りながら毎日ゲストハウスの厨房で働きました。ピアックさん以外は田舎から出てきた女の子が4人、厨房の中で手伝っていて、当時はタイ語が話せなかったのですが、ピアックさんが上手に英語を話せたので助かりました。「昔は一流ホテルのシェフだったのだが、俺には向いてない。こっちの方が気楽でいいや」なんて言っていたけど、突然現れた日本人の弟子にシェフ魂が再び起きてきたのか、けっこう厳しく教えてもらいましたよ。最後の頃に僕がフライパンを振って作った料理をお客さんに食べてもらえた時の嬉しさは、今でも忘れません。

タイ料理研修

こうして僕流のタイ料理研修が終わり、日本に帰ってさっそくメニューに取り入れました。初めてメニューに入れた料理はトムヤムクン、パッタイ、カオパッ、ヤムウンセン、クイッティオラッナー、など・・・そう、僕の当時のタイ料理は屋台のおばちゃんや、ゲストハウスのレストランや島のバンガローの台所で教わったストリートのタイ料理。だから、85年当時のペパカフェは「タイ屋台料理」と名付けたのです。これが、最初にタイ料理を始めたきっかけでした。

でも、今でこそ何処にでもエスニックの食材が売っているけど、当時は探すのが大変でした。ナムプラーが無い時はベトナムのニョクマムや中国の魚露、秋田のしょっつるも使った事があります。東京のタイレストランも有楽町のチェンマイと六本木のバンコックぐらいしかなかった頃です。今ではものすごい数のタイレストランがありますよね。

吉祥寺だけでもペパカフェを入れて7軒くらいあるかな。もちろん、吉祥寺で一番最初にタイ料理を始めたのはペパーミントカフェですよ。ペパカフェがタイ料理を始めた2年ぐらい後かな、スコータイさんがオープンしました。ペパはそこで働いていたタイ人の留学生達の溜まり場になっていて、今でも当時の留学生とタイで付き合いがあります。今ではみんな立派な社会人。僕も日泰経済協力協会でタイ語を習いはじめ、ABKで知り合ったタイ人の留学生全員がペパカフェに集ってパーティーをして、タイポップスで踊ったり、酔っ払ったり、大勢の留学生が僕の家に遊びに来たりで楽しかった。

タイ料理研修

その後もタイで働きタイ料理の経験を積みました。楽しく料理を覚えて充実していて、その後タイ語を覚えてタイ人のスタッフも入り、少しずつメニューを増やし、結局インドネシア料理はやめて全部タイ料理に変えてしまいました。

その頃、ちょうど、雑誌『anan』のエスニック特集の影響でエスニックブームに火が付きました。願ってもないチャンスでしたが、これを機に雨後のタケノコのようにタイレストランがそこら中に出来始めたのです。ペパカフェの並びに出来たフィリピン料理屋もタイ料理屋に業態を変えました。「なんだよ、真似すんなよー」と思ったのですが、ペパカフェは普通のタイレストランとは違った独自の店作りをモットーとする、というポリシーがあったので影響はありませんでした。タイ料理屋は儲かりそうだからという理由で始めた店とは違います。

ペパカフェのポリシーは、店の空気作り。楽しんでもらいたい、喜んでもらいたいとスタッフ皆が思っているし、僕らも楽しんで仕事したいと思っているし、味・空間・音にもこだわりを持っています。まだまだ完璧ではありませんが、この気持ちをいつまでも持っていたいよね。

1997年の4月に地下にリニューアルオープンしてからは、メニューはタイ・アジア料理と幅を広げることにしました。約70種類の料理の中で、80%がタイ、15%が他のアジア料理、5%がオリジナルのアジア料理です。今は良い時代で、電話1本でアジアの食材が野菜まで全て手に入ります。そして、今ではペパカフェのスタッフがタイでレストランの厨房に入るのを定期的行行なうようになりました。僕の知り合いにプーケットのカンエンという地元で有名なレストランの社長さんがいるので、そこの厨房スタッフにペパカフェの厨房スタッフが料理を教えてもらっているのです。トムヤムクンは店や地方によって味付けが違いますが、カンエンのトムヤムクンは濃厚なはっきりした味で絶品。だから地元のお客さんでいつもいっぱいです。プーケットに行ったらカンエンに是非行ってみて下さい。美味しいから。日本ではペパカフェでね!

まだまだ覚える事が沢山あります。アジアの料理は奥が深い!